蒙古ひだのタイプは?目頭切開の前に一度は知っておきたい!
目次
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mongolian fold
蒙古ひだとは
蒙古ひだ(mongolian fold)は、上まぶたの内側から内眼角(目頭部分)にかけて覆い被さっている皮膚のことです。
蒙古系の東洋人に特徴的な内眼角の形態で、日本人の赤ちゃんはほぼ100%、大人になっても約70%に認められるとされます。 目の内側にいくとピンク色の涙丘と呼ばれる部分が見えますが、蒙古襞が張っていると、目と目が離れてみえる「離れ目」に見えたり、目元が小さく見えてしまいます。また、目元が丸く幼い印象になったり、目頭側の二重の線が出にくかったりします。見た目だけではなく、逆さまつげの原因にもなることもあります。
蒙古ひだあり
東洋人、日本人に多い
- 目が小さく見える
- 目と目が離れてみえる:離れ目、遠心顔
- 幼い印象
- 目頭側の二重の線が出にくい
- 逆さまつげの原因
蒙古ひだなし
西洋人に多い
- 目が大きく見える
- 目と目の距離が近い:求心顔
- 大人っぽい印象
- 平行二重
- 内側まで睫毛の生え際が見える
今回は目元の印象を大きく左右する蒙古襞と目頭切開についてお話していきます。
epicanthoplasty
目頭切開
適応
目頭切開とは、蒙古襞を切開して目頭部分を鼻の方へ広げる手術です。目の横幅が広がり、目を大きく見せて大人っぽい印象になります。また、蒙古襞で隠れていた目頭側の二重の線がはっきり出てきて逆さまつ毛が改善する効果もあります。
- 蒙古襞が張っている
- 離れ目が気になる
- 目元の幼い印象を変えたい
- アイプチでは目頭側の二重ラインがはっきり出ない
- 目頭側の逆さまつ毛がある
いずれかに当てはまる方は、目頭切開でお悩みを解決できます。特に、蒙古襞が逆さまつげの原因になっている場合には保険診療での目頭切開が適応になることもあります。
移動量
日本人女性の平均目頭距離は34-35mm程度、37mm以上あるとやや離れ目の印象になるといわれます。しかし、この平均値に当てはめるように移動させれば良いというわけではありません。この数値はあくまで参考程度にして、目元の形やお顔全体のバランスを考えて適応や移動量は決める必要があります。
1)目頭(涙丘)の形
日本人では蒙古襞で隠れているため、あまり意識することはないですが、涙丘の形には個人差があります。
①尖った三角(スタンダード)
②四角いタイプ
③丸いタイプ
④鳥のクチバシタイプ
蒙古ひだ、を完全に切除するとこれらのいずれかの形になります。蒙古襞を少し残せば、涙丘の内側は残った皮膚で隠れるのでいずれの形でも①になります。涙丘も目の印象を大きく左右するため、元々の形によって移動量を調整する必要があります。好みにもよりますが、②-④の場合は蒙古襞を完全に切除せずに残すことが多いです。
2)二重との関係
蒙古襞が張っていると平行型の二重になりにくいです。蒙古襞と二重の関係について詳しく解説していきます。末広型か平行型の二重になるかは、蒙古襞の上端と二重の幅によって決まります。
平行型:二重ラインが蒙古ひだ上端より高い
末広型:二重ラインが蒙古ひだ上端より低い
したがって、蒙古襞の張りが強い方は蒙古襞の上端が高い位置にあるため、平行型の二重になりにくいです。また、ひだが強く張っていると、埋没の固定が外れやすい原因にもなります。離れ目は改善させたいけど、末広型の二重を希望される方は蒙古襞を少し残して二重幅を調整することで実現可能です。
3)目の黄金比
目と目の間の距離は1:1:1が美人に見える黄金比といわれます。
それ以上に空いている場合を「離れ目」もしくは「遠心顔」といいます。
幼く見える顔立ちで、かわいらしく柔らかい印象を与えたり、個性的でミステリアスな印象があります。
一方で、求心顔は、顔のパーツが中央に集まっていることが特徴です。
ハッキリとした顔立ちで、知的でクールな印象を与える傾向になります。
4)顔のバランス(特に鼻翼との関係)
目のバランスだけではなく、お顔全体のバランスも重要です。
鼻翼幅(interallar distance:IAD)と内眼角距離(intercanthal distance:ICD)は、理想的にはIAD=ICDとされます。
5)まつ毛の向き(逆さまつ毛)
蒙古ひだでまつ毛がおされると目頭側の逆さまつ毛の原因となっている場合があります。この場合は目頭切開が保険適応になる場合があります。
Operation
手術内容
目頭切開には、Z形成術、W形成術、skin redraping法など複数の術式があります。術式によって瘢痕の大きさや位置が異なりますが、術後瘢痕が目立ちにくい術式を選択する必要があります。当院で最もよく行っているZ形成術について説明します。
Z形成
蒙古ひだをZ型(ジグザグ)に切開する方法です。2つの三角形の皮膚を入れ替えることで、ひだが解除されて目頭の露出を増やすことができます。皮膚の切開範囲が狭く、傷跡が比較的目立ちにくい術式です。皮膚切除を行わないため、元に戻すことができる点もメリットです。
デザイン
術後
A:蒙古襞最下端
B:蒙古襞上で内眼角にあたる点
C:点Bから水平方向に内側にABと同距離の点
D:点Aから内眼角方向にABと同程度に伸ばした点
上記のように各点を切開していき、皮膚が自然に入れ替わる状態まで十分に剥離していきます。入れ替わりにくい時には、剥離を追加するか鼻方向の切開を追加して可動性を持たせます。当院では傷跡は最小限にしながら、最大限の効果が出るように拡大鏡を用いて皮下の剥離を十分に行う術式を採用しています。皮膚を丁寧に縫合して終了となります。
合併症
過矯正/低矯正
移動量が少ない場合は追加で移動させて修正します。過矯正となった場合にも、Z形成術では皮膚切除を行っていないため、修正が可能です。
肥厚性瘢痕
丁寧に手術操作しないと傷痕が目立ち肥厚性瘢痕になる場合があります。当院では拡大鏡を用いた手術を行い、これらの合併症がなるべく起きないようにしています。
ダウンタイム
ダウンタイムは術後1-2週間程度です。術後1週間で抜糸となります。まれに内出血が出る場合がありますが、メイクでカバーできる程度で、1-2週間程度で落ち着いてきます。
施術時間
30分程度です。
summary
まとめ
いかがでしたでしょうか。目頭切開は目元の印象だけではなくお顔の印象を大きく左右する手術です。経験豊富な医師としっかりカウンセリングした上で手術するか検討しましょう。
金沢にある形成外科、まぶたのクリニックでは形成外科専門医の島田院長が丁寧に対応しています。