【医療脱毛の副作用に関する臨床研究論文の解説】レーザー脱毛後の硬毛化における男女差

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編集部

ここからはまぶたのクリニックのコラム編集部であり当記事の筆者である私が、他のクリニック・医師をWEBサイトで紹介している背景について説明します。

目次

医療脱毛の副作用のひとつである硬毛化とは

編集部

医療脱毛後に逆に毛が濃く・太くなる現象を「硬毛化(paradoxical hypertrichosis)」と呼びます。

結論、本研究で硬毛化には有意な男女差があることが分かりました。

硬毛化の発生率は約0.6~10%とされていますが、診療現場での報告数は限られています。

硬毛化は、顔や首、上腕、背中など複数部位で発生する可能性があります。

硬毛化の明確な原因は解明されておらず、以下が関与していると考えられています。

  • 出力(フルエンス)が不適切
  • 照射部位の毛密度や毛質
  • ホルモンバランスの影響
  • 肌タイプ(スキンフォトタイプ)や照射条件

医療脱毛における硬毛化の男女別発生率

本研究では、2022年3月から2024年1月までに当クリニックで医療レーザー脱毛を受けた患者318名(男性63名、女性255名)について調査しました。

使用したレーザー機器は、Candela社のGentleMax Pro と GentleMax Pro Plus(alexandrite(755 nm), Nd:YAG(1064 nm))です。

レーザーパラメータ(フルエンス、パルス幅、スポットサイズ)はメーカー推奨に従って設定しました。

硬毛化の男女別発生率は以下の通りです。

性別発生率発症数/患者数
男性33.30%21/63
女性9.00%23/255

男性の方が有意に発生率が高いことが分かりました。(p<0.05)

医療脱毛における硬毛化の部位別発生率

どの部位に硬毛化が見られたか男女別に検証したところ、男性は体幹部(特に背中・肩・上腕)に多く、女性は顔や首など比較的浅層部位に多い傾向がみられます。

男性:

部位発生率
背中15.9%(10/63)
上腕11.1%(7/63)
7.9%(5/63)

女性:

部位発生率
3.5%(9/255)
3.1%(8/255)
上腕2.0%(5/255)

複数の部位に渡って硬毛化が生じたケースを調べてみると、これも男性の方が多いという結果でした。

性別発生率
男性17.4%(11/63)
女性1.6%(4/255)

医療脱毛の硬毛化で男女差が生じるメカニズムに関する推測

男性の体毛はもともと太く・密度が高いため、出力が最適なフルエンスを下回ると、不完全な熱ダメージにより硬毛化しやすくなると考えられます。

男性ホルモン(アンドロゲン)による毛包活性が強く、照射刺激によって毛成長が促進されやすい可能性もあります。

背中や肩などの部位ではメラニン量が少なく、レーザーが深部に届きにくいことも関与しているかもしれません。

女性では皮膚が薄く、浅層部に反応しやすいため、顔や首での硬毛化が起こる傾向が考えられます。

医療脱毛の硬毛化における他の関連研究も踏まえた考察

他の研究では、硬毛化の発生率が本研究よりも低い数値で報告されていますが、当該研究が女性患者のみを対象としていたため、性別による発生率の違いを考慮すれば妥当な結果といえるでしょう。

他の系統的レビューやメタ分析では、顔部の硬毛化が多く報告されていますが、男性の体幹部への硬毛化は今回の研究で新たに示された重要知見であるといえます。

硬毛化リスク軽減のためには、部位ごとにレーザーパラメータを最適化するか、針脱毛のような代替治療を提案するなどの対策が必要です。

また、硬毛化が発生した場合、パラメータを調整して治療を継続すると、最終的に硬毛化した毛髪の成長が減速できるという報告もあります。

今回の発症例は、メーカー推奨のフルエンスに従ったにもかかわらず、硬毛化が確認されています。

このため今後の研究では、硬毛化の予防・改善のために、フルエンス・パルス持続時間・レーザー波長をいかに調整していくかの検討が重要といえます。

医療脱毛における硬毛化の男女差を踏まえた医療現場への提案

今回の調査で、硬毛化の発症には明らかな性別差があることが分かりました。

特に男性の背中・肩・上腕は硬毛化の高リスク部位と認識する必要があります。

今後の臨床研究では性別による反応差を踏まえた、個人別照射プロトコルの確立が求められます。

まぶたのクリニック編集部
美容医療の知識を持ち、施術内容や患者の疑問点を分かりやすく伝えることを専門とする。カウンセリングや施術に関わる医療従事者としての視点から、美容整形に関する実際の体験談や正しい情報を提供。リスクや注意点についても正確に伝え、読者が安心して美容医療を選択できるようサポート。
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佐野 優子
高校時代、体調を崩した母のために栄養を学びながら食事を作った経験をきっかけに、管理栄養士を志す。栄養の力で人の健康が支えられることを実感し、専門的な知識を深める道へ。介護関連の企業にて管理栄養士として勤務(2021年〜2024年)。調理・盛り付けなどの現場業務から、献立作成・発注管理・商品の発送手配・利用者への栄養相談まで、多岐にわたる業務に携わる。現在はフリーランスとして、保育園給食の献立作成や、食事記録に基づく栄養アドバイスの作成を中心に活動。医学的根拠に基づいたアドバイスを通じて、リバウンドのリスク・健康への影響についても正確に伝え、読者が安心して医療ダイエットに取り組めるよう当記事を監修しています。
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  • 医療ダイエット・美容医療に関する栄養指導の実務経験あり
  • 現場業務・栄養相談・献立作成など幅広く担当
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