【医療脱毛の論文解説】研究データが示すレーザー脱毛の有効性とアフターケアの重要性

ネレア・ランダ 医師の経歴
2013年ISHRS(国際毛髪外科学会)入会
2013年5月第2回地中海FUEワークショップ参加
2014年6月ISHRSヨーロッパ植毛ワークショップ参加
2014年10月ISHRS年次総会参加
2019年11月ISHRS年次総会参加
現在クリニカ・デルミテククリニック勤務

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編集部

ここからはまぶたのクリニックのコラム編集部であり当記事の筆者である私が、他のクリニック・医師をWEBサイトで紹介している背景について説明します。

目次

医療脱毛の稀な副作用|遅発性持続性蕁麻疹の予防と管理

編集部

結論、医療脱毛における遅発性持続性蕁麻疹は、治療後に遅れて発症し、治療部位に限定される重度のかゆみを伴う特異な発疹です。

医療脱毛は世界中で広く普及していますが、一般的な副作用に加え、稀に「遅発性持続性蕁麻疹」という特異な副作用が報告されています。

医療脱毛後に発症する「遅発性持続性蕁麻疹」は、医療レーザー脱毛によって誘発される特殊な蕁麻疹です。

治療部位に限定され、重度のかゆみを伴う持続的な発疹として現れ、複数の毛包周囲性丘疹が融合し大きな局面となる傾向があります。

発疹は治療後6~72時間で現れ(平均19.33時間)、通常7~30日で治まりますが、経口プレドニゾロンや抗ヒスタミン剤の服用で5~10日に短縮されます。

好発部位発症例数(36例中)割合(約)
31例86%
鼠径部11例30.55%
腋窩8例22%
前腕1例
上唇1例

本研究では、2006年1月から2010年3月までの13,284人のレーザー脱毛患者中、36人がこの稀な蕁麻疹を発症しました(女性35人、男性1人、平均年齢19~63歳)。

生検組織からは浮腫とリンパ球・好酸球の密な浸潤が確認され、真皮中層・下層の血管周囲性・毛包周囲性の炎症が示唆されました。

この反応の抗原は毛包に存在すると考えられ、遺伝的関連も示唆されています。

抗原が深部に位置するため、特定のレーザー波長でのみ蕁麻疹が発生する可能性も推測されます。

遅発性持続性蕁麻疹の症状コントロールには、経口プレドニゾロン(30~40mg、朝)と抗ヒスタミン剤(夜)の併用が有効です。

服用しない場合は局所ステロイドクリームで治療します。

その後のセッションでは、予防的なプレドニゾロン投与(治療当日から3日間、15mg/日)が有効で、予防投与を受けた19人中12人(63%)に再発は見られませんでした。

発症した36人中7人は治療を中止しましたが、残りの29人は継続を選択し、症状は継続的な脱毛治療とともに軽減する傾向が見られました。

治療方法効果
経口プレドニゾロン(30~40 mg、朝)+抗ヒスタミン剤(ヒドロキシジン25 mgまたはセチリジン10 mg、夜)症状コントロール、蕁麻疹の迅速な解消
抗ヒスタミン剤+局所コルチコステロイドクリーム(アドバンタンクリーム)プレドニゾロンを服用しない患者の治療(7日間)
予防的なプレドニゾロン投与(治療セッション当日から3日間、15mg/日)その後のセッションでの再発予防

医療脱毛におけるアレルギー既往歴と蕁麻疹発生リスクの関連性

この研究は、2006年1月から2010年3月にかけて、スペインの複数のクリニックで実施された大規模な過去の診療記録を分析した研究です。

この期間にレーザー脱毛を受けた13,284人の患者を対象とし、そのうち36人が遅発性持続性蕁麻疹を発症しました。

この研究では、皮膚科医が診断から治療、そして経過観察まで一貫して携わった患者のみを対象とすることで、データの質を高めました。

使用されたレーザーはアレキサンドライトレーザーで、冷却装置としてダイナミッククーリングデバイスが用いられました。

総患者数は13,284例、そのうち蕁麻疹を発症したのは36例(女性35例、男性1例)でした。

発症患者の年齢は20歳から47歳で、フィッツパトリックスキンタイプ(日焼けのしやすさによる肌の分類)の肌タイプはII~IVに該当しました。

蕁麻疹発症回数

蕁麻疹発症回数発症患者数(36例中)割合(約)
初回治療後26例72.22%
2回目治療後5例13.88%
3回目治療後4例11.1%
4回目治療後1例2.8%

アレルギー既往歴の有無

アレルギー既往歴の有無患者数(36例中)割合(約)
あり33例91.7%
なし3例8.3%
編集部

対象患者のほぼ全員がアレルギーの既往歴を持っていた点が注目されます。

この研究デザインと患者概要は、医療脱毛における遅発性持続性蕁麻疹の理解を深める上で不可欠な基盤となります。

医療脱毛後の蕁麻疹|症状と発症パターン

医療脱毛後の蕁麻疹は、複数の毛包周囲性蕁麻疹性丘疹が融合し、不規則に広がる大きな赤く盛り上がった発疹となる傾向があり、発疹の現れる数は、毛包が密集している部位ほど多く見られました。

通常、蕁麻疹は色素沈着や色素脱失を残さずに完全に解消しますが、皮膚を掻くことで一時的な軽度色素沈着を残す場合もありました。

蕁麻疹はレーザー治療後6~72時間で現れることが多く、平均発症時間は19.33時間でした。

レーザー治療直後の皮膚反応は、全患者で正常であったと報告されています。

蕁麻疹の持続期間は、治療を行わない場合で平均10~30日ですが、経口プレドニゾロン単独または抗ヒスタミン剤との併用治療により、5~10日でより迅速に解消しました。

一部の患者では、その後のレーザー治療で蕁麻疹の発症時間が早まるケースも見られました。

蕁麻疹の主な好発部位

好発部位発症患者数(36例中)割合(約)
31例86%
鼠径部11例30.55%
腋窩8例22%
前腕、上唇各1例

病変は常に脱毛された領域に限局しており、体の他の部分には広がりません。

太い毛のある領域(ビキニライン、腋窩)での発生が多く見られましたが、細い毛の領域でも発生しました。

蕁麻疹の発生は、初回レーザー脱毛治療後が最も多く(26人、72.22%)見られました。

2回目治療後が5人(13.88%)、3回目治療後が4人(11.1%)、4回目治療後が1人(2.8%)で発生しています。

一度発生すると、その後の治療でも再発する傾向がありましたが、蕁麻疹は進行性の脱毛とともに軽度になるか、ほとんど完全に消失しました。

病理組織学的な特徴として、生検組織では浮腫と、リンパ球と好酸球が混在した深部で密な浸潤が認められました。

これは真皮中層および下層における血管周囲性および時に毛包周囲性のパターンと一致し、炎症が真皮中層および深部に位置し、表在性の血管叢も関与していました。

医療脱毛における蕁麻疹|病理と発症メカニズムの考察

医療脱毛後に発症する遅発性持続性蕁麻疹のメカニズムを深く理解するため、研究ではその病理組織学的特徴を詳細に分析し、いくつかの仮説が立てられています。

4人の患者から採取された生検組織の分析により、皮膚組織には浮腫が見られ、リンパ球と好酸球が混在する深部で密な浸潤が観察されました。

この浸潤は、真皮中層および下層における血管周囲性、時には毛包周囲性のパターンを示していました。

炎症は真皮中層および深部に位置していましたが、表在性の血管叢も関与していることが確認されています。

これらの組織学的所見は、肥満細胞によって媒介される過敏反応が蕁麻疹の発症に関与している可能性を強く裏付けています。

この遅発性持続性蕁麻疹の正確なメカニズムは完全には解明されていませんが、いくつかの有力な可能性が推測されています。

この反応を引き起こす抗原は、毛幹または毛包自体に存在し、レーザーエネルギーによる毛の溶解後に放出されると考えられています。

この仮説は、蕁麻疹がレーザー脱毛後の治療部位に限定して発症し、脱毛の進行とともに軽減・消失したこと、太い毛の領域で発生し、毛の少ない領域では見られなかったこと、および内腕パッチテストが陰性であったことによって支持されています。

編集部

抗原は皮膚の深部に位置しており、毛包の深部に到達するレーザー波長でのみ蕁麻疹が発生する可能性が示唆されています。

また、レーザー脱毛の際に発生する熱のみでは、この研究で観察されたような蕁麻疹を誘発しないとされています。

蕁麻疹の発症には遺伝的な関連性がある可能性も示唆されています。

研究対象となった患者のほぼ全員(36人中33人)がアレルギーの既往歴を報告しており、特にダニによるアレルギー性鼻炎が最も頻繁に報告されていました。

ただし、アレルギー歴がある患者の中で、この蕁麻疹を発症した群とそうでない群を区別する明確な特徴は特定されていません。

別の事例として、同クリニックでレーザー脱毛後に蕁麻疹を発症した3人の姉妹が全員アレルギー性鼻炎または喘息の既往歴を持っていたことから、遺伝的関連の可能性が示唆されています。

医療脱毛による蕁麻疹対策と治療法

レーザー脱毛によって誘発される蕁麻疹は稀な副作用であり、アレルギー素因のある患者の一部に発生することが明らかになっています。

この蕁麻疹は深部の毛包に存在する抗原が病因因子である可能性が示唆されており、治療を継続するにつれて症状が軽減・消失する予後が期待できます。

編集部

論文では、医療脱毛後の蕁麻疹に対する具体的な予防策と治療法についても提言しています。

医療脱毛後の蕁麻疹を予防するためには、リスクが疑われる患者、特にアレルギー既往歴のある患者に対して、治療前に高エネルギーのレーザーパッチテストを太い毛のある領域で広範囲に実施することを推奨しています。

パッチテスト後24~48時間で、遅発性でかゆみを伴う持続的な蕁麻疹様発疹が発生した場合、その後のレーザー治療に先立って予防的にプレドニゾロンを処方すべきです。

プレドニゾロンの予防的服用は、蕁麻疹の再発を大幅に減らす効果が示されています(約63%の患者で再発なし)。

症状を発症した場合の治療には、経口プレドニゾロン(30~40mg/日)単独または抗ヒスタミン剤との併用が、より迅速な蕁麻疹の解消をもたらします(5~10日での改善)。

蕁麻疹を発症した36人中7人の患者は初回セッション後に治療を中止しましたが、残りの29人は再発の可能性を伝えられた上で治療を継続しました。

一度蕁麻疹が発生しても、脱毛を目的としたレーザー治療を継続することで、蕁麻疹の症状は進行的な脱毛とともに軽度になるか、ほとんど完全に消失する傾向が見られます。

これは、蕁麻疹の原因となる抗原(毛)が減少するためと考えられます。

患者の多くがアレルギーの既往歴を報告しており、同クリニックで治療を受けた家族内での発症も確認されていることから、遺伝的な関連性や素因の可能性も示唆されており、今後の研究でさらに解明される可能性があります。

これらの知見は、レーザー脱毛後の遅発性持続性蕁麻疹の理解を深め、より効果的な予防と治療戦略の開発に貢献すると考えられます。

また、当院では当記事で解説した論文を参考に以下の記事を公開しています。

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まぶたのクリニック編集部
美容医療の知識を持ち、施術内容や患者の疑問点を分かりやすく伝えることを専門とする。カウンセリングや施術に関わる医療従事者としての視点から、美容整形に関する実際の体験談や正しい情報を提供。リスクや注意点についても正確に伝え、読者が安心して美容医療を選択できるようサポート。
備考
  • 国家資格保有
  • 美容医療に関する実務経験あり
  • 大手美容クリニックにて施術サポート業務担当
  • 最新の美容医療情報に基づき記事執筆
  • 患者目線の分かりやすいコラムを執筆
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