読み:ひまんいでんしけんさ
英語表記:Obesity Gene Testing
ラテン語語源:obesus(肥満の)+genos(ギリシャ語:生まれ・種族)+testum(検査)
カテゴリ:医療痩身・検査・予防医療
略語:OGT(一般略記)

結論、肥満遺伝子検査とは、体質的に太りやすいかどうかを特定の遺伝子の特徴から調べ、肥満のリスクや生活習慣の傾向を把握するための検査です。
項目 | 情報 |
---|---|
主な検査遺伝子 | ⚪︎β3AR(ADRB3)脂肪分解 ⚪︎UCP1 熱産生 ⚪︎β2AR(ADRB2)筋活性 ⚪︎PPARγ 脂質代謝 |
検体採取方法 | ⚪︎口腔粘膜スワブ ⚪︎唾液サンプル ⚪︎医療機関では血液採取の場合あり ⚪︎結果報告2-3週間 |
検査費用目安 | ⚪︎医療機関11,000-33,000円 ⚪︎市販キット約3,000-8,000円 ⚪︎自由診療・保険適用外 |
リスク判定分類 | ⚪︎りんご型 内臓脂肪・糖質蓄積 ⚪︎洋なし型 皮下脂肪・脂質蓄積 ⚪︎バナナ型 筋量少・基礎代謝低 |
判定後の主な対策 | ⚪︎糖質制限+有酸素(りんご型) ⚪︎脂質制限+無酸素(洋なし型) ⚪︎筋トレ+高たんぱく(バナナ型) ⚪︎総カロリーコントロール全型共通 |
注意点・悪化要因 | ⚪︎結果は体質傾向の一指標 ⚪︎睡眠不足・ストレスで代謝低下 ⚪︎過度な食事制限は逆効果 ⚪︎継続的な生活改善が前提 |
日本人に代表的な肥満遺伝子は、β3AR(りんご型)・UCP1(洋なし型)・β2AR(バナナ型)の3種類です。
肥満遺伝子 | 説明 |
β3AR(りんご型) | スーツがきつく感じる・血糖スパイクからくる昼間の眠気を感じやすい。 |
UCP1(洋なし型) | 下半身がむくみやすいため、ボトム選びに悩む方が多い。 |
β2AR(バナナ型) | 一見ほっそりして見えるが、筋肉が付きにくい体質のためリバウンドしやすい。 |
美容目的の肥満遺伝子検査は自費で行われることが多いですが、肥満外来の受診はBMI≧25かつ睡眠時無呼吸症候群などの健康障害があれば、保険診療で受診することが可能です。
肥満外科手術の適応があれば、肥満外科手術を行うこともあります。
普段から食事量が多くないのに体重が増えやすかったり、特定の運動をしても体重が減りにくいと感じる場合、遺伝的に脂肪をためこみやすい体質である可能性があります。
自分に合ったダイエット方法を見つけるためにも、肥満遺伝子検査の受検を推奨します。
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ダイエットしてもリバウンドを繰り返してしまう人・自分の体型タイプに合った食事や運動管理がしたい人・家族に高血圧や糖尿病などの生活習慣病が多い人に、肥満遺伝子検査は向いています。
どの検体を肥満遺伝子検査に使用するかで検査の流れは異なりますが、代表的な口腔粘液スワブを使用する場合の検査の流れを説明します。
飲食後1時間以上経過した状態で、軽くうがいをします。専用の綿棒で頬の内側を左右10回ずつ擦り、検体を採取します。
肥満遺伝子検査の結果はクリニックで約20日・検査キットで約3〜4週間程度で通知されます。
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本格的にダイエットを始める前に肥満遺伝子検査を受けるのが最も効果的です。
産後のダイエットやブライダルに向けたダイエットを考えている方は、肥満遺伝子検査を受けてからダイエットの計画を立てると効率よく効果を得ることができます。
ですが、肥満遺伝子検査の結果にばかり囚われて過度な食事制限やサプリの多用をしてしまうと、新たな健康障害を招く恐れがあります。
肥満遺伝子検査の結果はあくまで傾向でしかないことを承知の上で、検査を受けましょう。
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肥満の要因は遺伝子のみならず、生活習慣など多岐にわります。肥満遺伝子検査の結果だけでは、減量の成功は保証されません。
また、遺伝情報と体質の関わりを示す確率の計算式は企業間で異なります。そのことに注意して肥満遺伝子検査を取り入れてください。
肥満遺伝子検査の結果をもとに、医師や管理栄養士のカウンセリングを受けることができるキット/クリニックを選ぶと良いでしょう。