読み:しょうれいほうこく
英語表記:Case Report
ラテン語語源:casus(出来事)+reportare(報告する)
カテゴリ:医学・研究・文献
略語:なし

結論、症例報告とは、個別の患者の病歴や治療経過、特異な症状などを詳細に記録し、他の医療従事者と共有することで臨床の理解を深めるための記録です。
症例報告の項目 | 症例報告の情報 |
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症例報告の 主な目的 | ⚪︎個別の患者症例の記録・分析 ⚪︎新たな治療法や診断法の発見 ⚪︎稀な病状の報告 |
症例報告の 主な構成要素 | ⚪︎患者背景 ⚪︎症状の詳細 ⚪︎診断・治療経過 ⚪︎結果と考察 |
症例報告の 主な利用者 | ⚪︎医師 ⚪︎研究者 ⚪︎医学生 |
症例報告の 主な利点 | ⚪︎新しい医療知見の提供 ⚪︎教育的価値 ⚪︎臨床判断の参考 |
症例報告の 主な欠点 | ⚪︎一般化の困難さ ⚪︎エビデンスレベルの低さ |
症例報告における 主な治療法 | ⚪︎状況に応じた治療法の適用 |
症例報告は、ヒアルロン酸注入による視力障害や脂肪吸引後の出血など、美容医療で稀に発生する重大な合併症を記録する手段として活用されます。

特に新しい施術や機器に関する「first-in-human」症例報告は、今後の安全性評価や施術選択にとって重要な参考材料です。
症例報告は教育的な価値も高く、画像や動画を用いたビジュアル症例として医療従事者間で知識を共有することに役立ちます。
しかし、顔写真などが含まれる場合はプライバシー保護の観点から、患者の同意や匿名化が不可欠であり、対策が不十分な症例報告は公開拒否や法的問題を招く可能性があります。
また、症例報告はOCEBMでLevel Vに分類され、エビデンス水準としては低めですが、臨床現場での仮説生成や問題提起には有効です。

特にCAREガイドラインに準拠した高品質な症例報告は、施術選択や術後ケアの質向上につながるため、美容医療を受ける方にとっても信頼性がある指標となります。
症例報告は、特定の病状や治療に関する詳細なケーススタディであり、医療専門家が新しい知見を得るために重要な資料となる可能性が高いです。
日常生活で珍しい症状や反応を経験した場合、これが将来的に症例報告として医学的知見の発展に寄与する可能性も考慮できる為、具体的な症状や状況を記録し、医師に相談することを推奨します。