ほくろについて美容外科医が詳しく解説
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What
ホクロって?
ホクロは皮膚にできる褐色または黒色の色素斑の総称です。大小様々で平坦なものや盛り上がったものなどがあります。これは一般的には良性で、医学的には母斑細胞母斑あるいは色素性母斑と呼ばれます。黒いメラニン色素を作り出す母斑細胞が存在することで褐色ないし黒色に見えます。
ホクロ切除の目的
ホクロの治療目的は3つあります
①悪いものか調べる
②ホクロにより生活に支障がある ex)ホクロにより眼鏡がかけられないなど
③見た目をよくする
→①・②の場合は保険適応で治療が可能となります
resection method
ホクロ切除の方法
ホクロ切除には主に4つの方法があります。
以下にそれぞれの方法の適応やメリット・デメリットについて説明します。大きさの指標は部位によっても異なるのであくまで目安にしてください。
a.切除(Excision Surgery)
①くりぬき法
ほくろの形に沿って切開してホクロを切除する方法です。手術後は深めの擦り傷のような状態になります。
傷の治りを早める軟膏や被覆剤を貼って、自然に傷が治るのを待ちます。傷が治るまでに2週間程度かかります。
適応:
- 5mm以下の小さなホクロ
- 鼻尖など
メリット
- 正確で確実
- 傷跡が小さい
デメリット
- 局所麻酔が必要
- 色素沈着や陥凹が残る場合がある
②切開法
メスで皮膚を切開して縫合する方法です。ほくろの形のまま切開すると、両端にひずみが生じるので紡錘形(木の葉型)に皮膚を切開します。そのため、傷跡の長さは元々のほくろのサイズよりも長くなります。皮膚を縫合するため、術後1週間で抜糸が必要になります。線状の瘢痕が残りますが、シワの線(厳密にはRelaxed Skin Tension Line[RSTL]といいます)に沿った縫合線にすることでなるべく目立たないようにすることができます。術後3ヶ月程度はテーピングを行って傷が目立ちにくくなるようにします。
適応
- 6mm以上の大きなホクロ
- 線状の瘢痕があまり目立たない部位
- 医学的に悪性が疑われて病理検査が必要な場合
メリット
- 正確で確実
- 再発が少ない
デメリット
- 局所麻酔が必要
- 線状の傷跡が目立つことがある
b. レーザー切除(Laser Surgery)
①炭酸ガスレーザー
水分に反応するレーザーでメラニンを含む組織ごと削りとる(蒸散)方法です。術後は傷の治りを早める軟膏や被覆剤を貼って、自然に傷が治るのを待ちます。傷が治るまでに2週間程度かかります。
適応
- 3mm以下の小さなホクロ
- 盛り上がったホクロ
- 複数のホクロを同時に切除したい場合
メリット
- 傷跡が小さい
- 短時間で複数のホクロを除去できる
デメリット
- 局所麻酔が必要
- 色素沈着や陥凹が残る場合がある
- 再発することがある
②しみ用レーザー(YAGレーザーなど)
メラニン色素に反応するレーザーで、黒いメラニン色素のみを破壊する方法です。
適応
- 色の薄く盛り上がってないホクロ
- 局所麻酔やダウンタイムなくホクロ治療をしたい
メリット
- 麻酔が不要
- ダウンタイムがほとんどない
- 同時に複数のホクロを除去できる
デメリット
- 大きなホクロや隆起したホクロには不向き
- 1回の治療効果は弱く複数回の照射を行っても効果があまり出ない場合がある