前多 一彦 医師の経歴
1992年 | 北海道大学医学部附属病院 形成外科 | 入局 |
1999年 | 医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター形成・美容外科 | 部長を歴任 |
2001年 | 北海道大学大学院医学研究科 | 研究従事 |
2005年 | 大手美容外科 | 理事長・札幌院院長・診療部長を歴任 |
2008年 | 聖心美容外科札幌院 | 院長 |

ここからはまぶたのクリニックのコラム編集部であり当記事の筆者である私が、他のクリニック・医師をWEBサイトで紹介している背景について説明します。
クマ取り整形の新基準「ハムラ法+α」のメリットとは
目の下のクマやたるみには、ハムラ法という術式が広く知られています。
しかし、従来のハムラ法には外反のリスクや縫合部の凹凸・異物感といった課題があり、治療をためらう方も少なくありませんでした。

結論、ハムラ法+αは、これらの課題を克服し、新たな基準を確立する画期的な治療法です。
眼窩脂肪を直接縫合固定せず、剥離挙上した眼窩隔膜のみを骨膜に固定することで、外反リスクや違和感を最小限に抑えます。
論文では、約300例の治療結果を分析し、その有効性を明らかにしています。
従来のハムラ法の術式
1995年に報告された術式では、眼窩隔膜(がんかかくまく)の一部を切除し、眼窩脂肪を眼窩下縁(がんかかえん)よりも下方に引き出して骨膜に固定します。
1998年に報告された術式では、眼窩隔膜は切除せず、下方に引き出した眼窩脂肪と共に骨膜に固定する術式に変更されました。
通称「表ハムラ」(経皮的にアプローチする方法)だけでなく、通称「裏ハムラ」(経結膜的にアプローチする方法)においても、眼窩脂肪は必ず骨膜に縫合固定されるのが共通の特徴です。
従来の術式の課題
従来のハムラ法では、眼窩脂肪を骨膜に縫合固定することに起因するいくつかの課題が指摘されています。
眼窩脂肪の過剰な牽引が、外反(まぶたが外側にめくれてしまう状態)の主な原因となります。
一般的なハムラ法では、経皮法・経結膜法のいずれにおいても、眼窩脂肪の骨膜への縫合固定が外反の原因となるとされています。
過剰な皮膚切除も外反の原因として挙げられています。
さらに、眼窩脂肪を骨膜に縫合固定することによって、その部位に凹凸(でこぼこ)が生じたり、異物感を感じたりすることがあります。
クマ取り整形の進化|ハムラ法+αの革新的アプローチ
「ハムラ法+α」は、従来のハムラ法が抱える課題を解決するために考案されました。

ハムラ法+αの最大の特徴は、眼窩脂肪を直接骨膜に固定しない点にあります。
その代わりに、眼窩脂肪を包む眼窩隔膜のみを剥離して挙上し、この眼窩隔膜を上顎骨と頬骨の骨膜に縫合固定します。
特に内側では、目の下の窪みであるティアトラフを越え、上顎骨に付着する眼輪筋の上から固定することで、眼窩脂肪は直接牽引されず、自由な動きが可能となります。
ハムラ法+αの主なメリット
メリット | 詳細 |
---|---|
外反リスクの最小化 | 眼窩脂肪の過剰な牽引による外反(まぶたが外側にめくれる状態)のリスクが最小限に抑えらる。 |
凹凸や異物感の軽減 | 脂肪の直接固定による凹凸(でこぼこ)や異物感が患者に生じにくくなる。 |
目の下の窪みの自然な改善 | 立位で眼窩脂肪が隔膜下に自然に充填されるため、目の下の窪みが改善します。眼輪筋オーバーラップなどの追加手技も不要。 |
涙袋形成の同時実現 | 眼輪筋の重層により、理想的なオージーカーブを持つ涙袋を同時に形成することができる。 |
高い若返り効果と再発の少なさ | 特に40代以上だけでなく、30代で膨らみやたるみが強い症例においても、皮膚を切らない経結膜下脱脂術よりも長期的に見て再発が少なく、高い若返り効果が期待できる。 |
クマ取り整形の術前チェック|ハムラ法+αの適用条件とは
「ハムラ法+α」の基本的な適応は、目の下のたるみや膨らみが強い40代以上の方ですが、30代で目袋やたるみが顕著な症例にもこの術式は適用可能です。
皮膚を切らない経結膜下脱脂術と比べ、長期的な再発が少なく高い若返り効果が期待できるのが特徴です。
術前デザインでは、患者さんの座位での確認が重要です。
目袋の膨らみ具合や、目の下の窪みであるティアトラフ、鼻唇溝、インディアンラインといった凹み具合を詳細に確認し、等高線や斜線で丁寧にマーキングを行います。
仰臥位や局所麻酔後では術前の状態と異なるため、正確な術前評価のためにも座位での確認が不可欠です。
また、加齢によりまぶたの張りが緩むため、過剰な皮膚切除は外反の原因となることがあり、慎重な調整が求められます。
クマ取り整形の実際|ハムラ法+αの手順とポイント
「ハムラ法+α」の具体的な手術プロセスは、従来のハムラ法の課題を克服するために考案された独自の工夫が凝らされており、平均手術時間は1時間30分で静脈麻酔下で行われます。
手術は睫毛下約1mmの切開から始まり、涙袋形成のため眼輪筋上を皮下剥離し、眼輪筋下へ進みます。
その後、眼窩隔膜上を鈍的に剥離し、眼窩下縁を越えて内側は上顎骨に付着する眼輪筋の上まで、中央から外側は骨膜上を約20mm尾側まで剥離します。
眼窩隔膜の剥離挙上は、目袋が大きい症例では特に慎重に行い、薄い眼窩隔膜を破らずに一枚の綺麗な面として剥離することが重要です。
適量の眼窩脂肪を切除した後、ハムラ法+αの画期的なコンセプトに基づき、眼窩脂肪は骨膜に縫合固定せず、剥離挙上した眼窩隔膜のみを上顎骨と頬骨に縫合固定します。
これにより、眼窩脂肪は自然に充填され、外反予防のため余剰皮膚を適量切除し、外側の骨膜固定を必須で行います。
最後に、外眼角部に皮下縫合を行い、睫毛下と外側の皮膚を縫合することで、眼輪筋を重層させ涙袋を形成します。
クマ取り整形の実際|ハムラ法+αによる改善事例
「ハムラ法+α」は、多岐にわたる年齢層と症状を持つ患者に対し、目の下の膨らみ(目袋)やたるみの改善、さらに涙袋の形成、目の下の窪み(ティアトラフ)およびインディアンラインの改善に有効であることが、複数の症例によって示されています。
これらの症例から、「ハムラ法+α」は目の下の複合的な加齢変化に対して、長期的な効果と再発の少なさが期待できることが示唆されます。
「ハムラ法+α」の症例データ
年齢・ 性別 | 特徴 | 隔膜固定箇所(左右) | 術後経過 | 改善点 | 合併症 |
---|---|---|---|---|---|
47歳 女性 | 目袋が大きい・術前から三白眼・negative vector(外反しやすい典型例) | 8カ所ずつ | 6日後(抜糸直後)・1ヵ月後 | 目袋解消・涙袋強調・ティアトラフ・インディアンライン改善 | 外反なし |
43歳 女性 | 左右差のある目袋とたるみ | 8カ所ずつ | 術直後・6日後(抜糸直後)・1ヵ月後 | 目袋解消・涙袋自然・ティアトラフ・インディアンライン改善 | なし |
73歳 女性 | 巨大な目袋とたるみ・眼輪筋の透けによる赤ぐま・ティアトラフ~palpebro malar groove | 右9カ所・左8カ所 | 3ヵ月後 | 巨大な目袋解消・ティアトラフ~palpebro malar groove・インディアンライン改善 | 結膜浮腫(14日ほどで自然消退) |
47歳 女性 | 目袋とたるみ | 7カ所ずつ | 1年3ヵ月後 | 目袋・たるみ解消・涙袋自然・ティアトラフ・インディアンライン改善 | 再発なし |
46歳 男性 | 大きな目袋・眼輪筋の透けによる赤ぐま・顕著なティアトラフ~palpebro malar groove | 7カ所ずつ | 2年後 | 目袋解消・涙袋強調・ティアトラフ~palpebro malar groove・インディアンライン改善・笑顔時も自然 | 再発なし |
クマ取り整形の安全性|ハムラ法+αのリスクと対策
「ハムラ法+α」は、著者が約300例の手術経験から特に注意すべきリスクとして術後血腫と外反を挙げています。
術後血腫の対策には、眼窩脂肪断端や眼輪筋の止血操作が重要であり、局所麻酔効果が切れる術後数時間は特に注意が必要です。
過剰な凝固止血やいきみ・血圧上昇は避けるべきですが、これまでに2例の血腫は即時処置と経過観察で軽度外反も含め改善しました。
外反の主な原因は過剰な皮膚切除と眼窩隔膜の牽引であり、予防策として下眼瞼中央部での皮膚切除は3mm未満に抑え、眼窩隔膜の固定位置と張力調整が鍵となります。
他院での既往がある1例で一時的な外反が見られましたが、これも約2ヶ月で改善し、80歳代の症例を含め重篤な外眼角形成術が必要な事例は報告されていません。
これらの経験から、「ハムラ法+α」は術後の血腫や外反といった合併症のリスクがあるものの、適切な予防策とリカバリー処置によって、その影響を最小限に抑え、重篤な後遺症に至るケースは稀であることが示唆されています。
クマ取り整形で若々しく|ハムラ法+αがおすすめの方
目の下の若返り手術「ハムラ法+α」は、特に以下のような方におすすめできる施術です。

基本的に40代以上の方に適応とされますが、30代でも目袋やたるみが顕著な症例に適用され、長期的な再発が少なく高い若返り効果が期待できます。
目の下のくまやたるみが気になる方、特に膨らみがメインの目袋があり手術治療を希望される方には最適です。
大きな目袋やたるみ、眼輪筋の透けによる赤ぐまを改善したい方にも向いています。
さらに、目の下の窪みであるティアトラフやインディアンラインの凹みを同時に改善し、自然な涙袋形成を希望される方にも効果的です。
「ハムラ法+α」は、眼窩脂肪の自由度を保ちながら涙袋の強調やオージーカーブの形成、目の下の複合的な加齢変化に包括的に対応したい方におすすめです。
また、当院では当記事で解説した論文を参考に以下の記事を公開しています。
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クマ取りに関する専門的な知識を深めるため、臨床結果・医療技術に関する具体的な事例も学び取り入れた上で、最新の研究論文・臨床試験データに基づいて信頼性の高いコンテンツの作成に努めています。
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