青井 則之 医師の経歴
1999年 | 岡山大学 医学部 | 卒 業 |
1999年 | 岡山大学医学部附属病院 社会保険広島市民病院 | 入 局 初期研修医 |
2001年 | 国立四国がんセンター | 研修医 |
2002年 | 東京大学 形成外科・美容外科 東名厚木病院 形成外科 | 入 局 入 局 |
2003年 | 都立大塚病院 形成外科 | 入 局 |
2004年 | 湯河原厚生年金病院 形成外科 | 入 局 |
2005年 | 国保旭中央病院 形成外科 | 入 局 |
2006年 | 東京大学 形成外科・美容外科 | 助 手 |
2007年 | 東京大学 形成外科・美容外科 | 助教授 |
2012年 | 東京大学大学院 博士課程医学系研究科 | 修 了 |
2014年 | 帝京大学 形成・口腔顎顔面外科 | 講 師 |
2018年 | 宮益坂クリニック | 開 院 |
小室 裕造 医師の経歴
1986年 | 千葉大学医学部 | 卒 業 |
1986年 | 東京大学医学部附属病院 形成外科 | 入 局 |
1988年 | 東京都立駒込病院 形成外科 | 入 局 |
1991年 | 東京大学医学部 形成外科 | 入 局 |
1993年 | 総合病院国保旭中央病院 | 入 局 |
1995年 | 東京警察病院 形成外科 | 医 員 |
1998年 | 順天堂大学医学部 形成外科 | 講 師 |
1999年 | エール大学 形成外科 | 留 学 |
2001年 | 順天堂大学医学部 形成外科 | 助教授 |
2010年 | 順天堂大学医学部附属浦安病院 形成外科・美容外科 | 教 授 |
2015年 | 帝京大学医学部 形成・口腔顎顔面外科講座 | 教 授 |

ここからはまぶたのクリニックの編集部である私が、実際にクマ取り整形の論文について解説していきます。
経結膜的脱脂術とは?クマ取り整形手術の目的と適応範囲
目の下のクマに悩む女性は少なくないにも関わらず、侵襲性の高さ・ダウンタイムの長さなどを理由に、クマ取り整形手術は避けられる傾向にありました。
近年注目を集めている経結膜的脱脂術(略称:結膜脱脂)は、目の下のクマやたるみの原因となる眼窩脂肪を、下まぶたの裏側(結膜側)から除去する美容整形手術です。
結論、経結膜的脱脂術・ヒアルロン酸注入のコンビネーション治療により、負担が少なく効果の高いクマ取り整形が実現しています。
経結膜的脱脂術は、施術による傷跡が残らない、下まぶたが外側にめくれる下眼瞼外反のリスクが少ない、施術時間・ダウンタイムが短いなどの利点があります。
しかし、高齢者や皮膚が極端に薄い患者の場合、シワが目立ちかえって老けて見えるケースなどがあることが課題でした。
当記事で紹介する論文で、経結膜的脱脂術・ヒアルロン酸注入のコンビネーション治療が、年齢を制限しない効果的なクマ取り整形術であることが明らかになりました。
【クマ取り整形】経結膜的脱脂術の手術の流れと注意点
経結膜的脱脂術は、一般的に以下の流れで行われます。
- 下まぶたを外側に反転させ、結膜側から5〜10mmの横向きに切開する
- 眼窩脂肪を構成するmedial(内側)・central(中央)・lateral(外側)を確認する
- 左右および内側から外側にかけてのバランスを見ながら脂肪を切除する
- 施術後、患者は正面を向いて座り、脂肪の切除量や見た目のバランスなどを確認する
経結膜的脱脂術では、患者満足度の向上などを理由に、患者が座った状態で仕上がりを確認するプロセスを含んでいます。
また、ヒアルロン酸注入の効果を十分に得るため、施術者は同プロセスにおいて内側(medial)の脂肪が十分に切除されているか確認することが重要です。
【クマ取り整形】ヒアルロン酸注入に必要な技術と適用部位
実際の臨床試験の結果から、以下を基準として経結膜的脱脂術後のヒアルロン酸注入が行われることが望ましいとされています。
注入の基準 | 詳細 |
---|---|
注入のタイミング | ■術後2〜4週間を目安 ■術後の腫れが落ち着いた状態 |
使用する医用機器 | ■27ゲージの鈍針 |
使用する薬剤 | ■Teosyal Redensity II(スイス:Teoxane社) |
注入方法 | ■double layer injection法 ■皮膚の浅い層・深い層の2層に注入する方法 |
注入量 | ■目安として片側に0.5mlを注入 ■浅層(眼輪筋内)と深層(骨膜上)の配分は1:1が基本 |
double layer injection法は、薬剤を浅い層に注入することで皮膚のハリ感を出し、深い層に注入することでくぼみの改善できる手法です。
皮膚の浅い層にヒアルロン酸が透けて見えるチンダル現象が抑制され、より自然で美しい仕上がりになります。
【クマ取り整形】ヒアルロン酸注入におけるリスクと予防策
ヒアルロン酸注入は、比較的簡易な施術で効果が得られるクマ取り整形ですが、失明や脳梗塞といった深刻な合併症の症例が報告されています。
様々なリスクを回避するため、以下のような安全対策・合併症予防の徹底が必須です。
種類 | 対策・効果 |
---|---|
内出血・血腫 | ■結膜は縫合しない ■術後約20分間、濡らしたタオルで下まぶたを圧迫 ■早期のドレナージ(血液などが自然に排出されること)により合併症のリスク回避 |
腫れ | ■術後、下まぶたをテープ固定 ■皮膚の伸展を防ぎ、腫れを抑制 |
複視(眼球運動障害) | ■局所麻酔の量を減らす ■神経ブロックと点眼麻酔により対応 |
動脈塞栓 | ■失明・脳梗塞など深刻な合併症の原因 ■針を刺した際に強い抵抗を感じたら針の方向を変える ■骨膜上と皮下に注入し、中間層への注入は避ける ■微量注入を繰り返し、患者の反応を観察 |
ヒアルロン酸注入によるクマ取り整形には合併症のリスクが伴うため、施術側は顔面学や注入方法についての知識・技術を持ち合わせておく必要があります。
また、各医療機関は患者に対して十分な説明を行い、承諾を得た上で施術を行うよう徹底しなくてはなりません。
【症例紹介】ヒアルロン酸注入によるクマ取り整形の効果・持続性
本論文では、経結膜的脱脂術・ヒアルロン酸注入のコンビネーション治療による症例が3つ紹介されています。
対象者の年齢 | 経結膜的脱脂術の部位 | ヒアルロン酸の注入量・回数 | 効果・持続性 |
---|---|---|---|
39歳 | medial・central | 両側0.5mlずつを1回 | 1年2ヶ月持続 |
51歳 | medial・central・lateralのすべて | 両側0.4mlずつを1回 追加注入なし | 3年後、形態良好 |
50歳 | medial・central・lateralのすべて | 両側1.0mlずつ 追加注入あり | 3年後、形態維持 |
症例から、経結膜的脱脂術・ヒアルロン酸注入のコンビネーション治療は、長期にわたり良好な効果を維持できると言えるでしょう。
【クマ取り整形】コンビネーション治療のメリットと課題
経結膜的脱脂術・ヒアルロン酸注入のコンビネーション治療のメリットと課題をまとめてみましょう。
- ダウンタイムが短く、施術に対する患者の抵抗感が少ない
- 眼窩脂肪による陥没・膨らみの両方に対応可能で、自然な仕上がりを実現
- 左右の下まぶたの症状が異なる場合でも細かな調整ができるため、患者の満足度が高い
- 特にヒアルロン酸注入では、深刻な合併症のリスクがある
- 顔面学に関する専門知識と高度な手技がある施術者が対応することが前提である
経結膜的脱脂術・ヒアルロン酸注入のコンビネーション治療は、患者・施術者双方にとってメリットの多いクマ取り整形です。
しかし、ヒアルロン酸注入においては稀に深刻な合併症が起こる可能性があるため、リスクを熟知した上で慎重に施術が行われなくてはなりません。
【クマ取り整形】コンビネーション治療とハムラ法・脂肪移動術の比較
従来クマ取り整形術の主流であったハムラ法・脂肪移動術と、コンビネーション治療の違いを比較しました。
比較項目 | ハムラ法・脂肪移動術など従来の術式 | 経結膜的脱脂術・ヒアルロン酸注入のコンビネーション治療 |
---|---|---|
特徴 | 下眼瞼の膨らみ・陥没の両方に対応できる | 下眼瞼の陥没・皮膚弛緩を改善し、なめらかな曲線を実現 |
侵襲性 | 高い(皮膚切開あり) | 低い |
適応年齢層 | 中高年層中心 | 幅広い年齢層(極端に皮膚が薄い患者などは除く) |
ダウンタイム | 長い | 短い |
合併症 | 結膜浮腫、一時的な下まぶたの変形など | まれに動脈塞栓による失明・脳梗塞などが起こる可能性がある |
施術の難易度 | 高い | 比較的簡単な注入により、仕上がりの微調整が可能 |
経結膜的脱脂術・ヒアルロン酸のコンビネーション治療は、侵襲性・ダウンタイム・施術の難易度の点で、従来の術式より優位性があると言えるでしょう。
従来の術式の課題を克服したことにより、経結膜的脱脂術・ヒアルロン酸のコンビネーション治療は、クマ取り整形の進化系としてニーズが高まっています。
【クマ取り整形の今後】コンビネーション治療から考える美容医療のあり方
本論文の臨床研究から、ヒアルロン酸の効果は6ヶ月~1年と、想定よりも効果が持続することが認められました。
経結膜的脱脂術・ヒアルロン酸のコンビネーション治療は、効果の持続性以外にも多くのメリットがあるため、クマに悩む患者のニーズとマッチしています。
今後の美容医療においては、クマ取り整形も含め、低侵襲な手術と注入系治療を組み合わせたハイブリッド治療が主流となっていくと考えられます。
患者の安全性を確保するため、医療従事者には更なる知識・技術の研鑽が求められることになるでしょう。
また、当院では当記事で解説した論文を参考に以下の記事を公開しています。
クマ取りのおすすめクリニック15選【専門家監修】目の下のたるみ取りの医院も厳選
TCBのクマ取り再生注射の口コミ評判【実体験レポ】経験者の本音も調査
クマ取り整形に関する専門的な知識を深めるため、臨床結果・医療技術に関する具体的な事例も学び取り入れた上で、最新の研究論文・臨床試験データに基づいて信頼性の高いコンテンツの作成に努めています。
このように、当院では信頼のおける学術誌で発表された論文等を参考に、クリニック選びの実践的なアドバイス・治療内容の解説をしております。
このように、当院では信頼のおける学術誌で発表された論文等を参考に、クリニック選びの実践的なアドバイス・治療内容の解説をしております。