医療ダイエット薬「オーリスタット」は本当に痩せる?効果と安全性を論文から読み解く

編集部

ここからはまぶたのクリニックのコラム編集部であり当記事の筆者である私が、他のクリニック・医師をWEBサイトで紹介している背景について説明します。

目次

医療ダイエット薬「オーリスタット」とは?

医療ダイエット薬オーリスタット(製品名:ゼニカル)は、脂肪吸引のような外科手術に抵抗がある方でも、手軽に始められる内服薬による肥満治療法です。

編集部

結論、この薬は食事で摂った脂肪の吸収を約30%カットすることで、体重増加を抑制します。

オーリスタットの最大の特徴は、体内に吸収されて作用するのではなく、消化管の中で「脂肪の吸収」そのものを抑える点にあります。

食事から摂取した脂肪は、通常「リパーゼ」という分解酵素によって分解され、体内に吸収されます。

オーリスタットは、このリパーゼの働きをブロックすることで、食事に含まれる脂肪の約30%を吸収させずに、そのまま便として体外へ排出させます。

この作用から、米国FDA(アメリカ食品医薬品局)にも肥満治療薬として認可されており、安全性の高い薬として世界中で使用されています。

項目内容
作用脂肪分解酵素「リパーゼ」の働きを阻害し、食事の脂肪分の約30%をカットする
安全性米国FDA(アメリカ食品医薬品局)承認
注意点脂溶性ビタミン(β-カロテン、ビタミンEなど)の吸収も妨げる可能性があるため、野菜や果物を多めに摂ることが推奨される

ただし、脂肪の吸収を抑えるという特性上、脂溶性ビタミンの吸収にも影響が出る可能性があります。

そのため、治療中は意識して野菜や果物を多く摂取し、栄養バランスを保つことが大切です。

医療ダイエット薬オーリスタットは本当に効く?論文が示す5つの重要ポイント

今回解説する論文には、オーリスタットの効果や安全性に関する重要なデータが詰まっています。

項目論文で報告された結果・考察
平均体重減少5.6kg (3ヶ月間)
効果が顕著な時期治療開始後の最初の2ヶ月間
副作用重篤なものはなく、脂肪便や便の回数増加などの軽微なトラブルが中心
リバウンドの有無治療終了3ヶ月後もほとんど見られなかった(平均0.2kgの微増)
成功の鍵薬の効果に加え、専門医による生活指導患者本人の意欲向上

このように、オーリスタットは日本人を対象とした研究でも、明確な体重減少効果が確認されています。

さらに、重篤な副作用や治療後のリバウンドが見られなかった点は、安全性と持続性の高さを示す重要な結果と言えるでしょう。

医療ダイエット薬オーリスタットにおける被験者の背景

オーリスタットの効果を調べる研究の参加者は3ヶ月間継続して治療を受けた30代から60代の女性5名でした。

以下の表は、治療開始前の彼女たちの状態をまとめたものです。

症例年齢身長 (cm)体重 (kg)BMI
148歳15275.132.5
233歳16591.033.4
326歳16058.022.7
447歳14879.836.4
561歳15968.126.9
平均43歳156.874.430.4

注目すべきは、肥満の指標であるBMIの平均値が30.4である点です。

一般的にBMI25以上が肥満とされるため、参加者の多くが医学的に減量が必要な状態であったことがわかります。

問診によると、出産や怪我などをきっかけに体重が増加した方がほとんどでした。

ただし、症例3の方はBMI22.7と標準体型であり、この症例の結果が後の考察で重要な意味を持ちます。

医療ダイエット薬オーリスタットの驚くべき効果

3ヶ月間のオーリスタット治療で、参加者の体重はどのように変化したのでしょうか。

以下の表は、治療期間中の体重の推移をまとめたものです。

症例治療前1ヶ月後2ヶ月後3ヶ月後
175.1 kg71.0 kg69.2 kg69.0 kg
291.0 kg88.2 kg85.0 kg84.0 kg
358.0 kg56.9 kg56.0 kg57.1 kg
479.8 kg78.0 kg72.1 kg70.9 kg
568.1 kg64.0 kg63.0 kg62.8 kg
平均74.4 kg71.6 kg69.1 kg68.8 kg

治療終了時の3ヶ月後には、平均で5.6kgもの体重減少を達成しています。

特に、症例4の方は3ヶ月で8.9kgという著しい結果でした。

論文によると、この効果は治療開始後の最初の2ヶ月間に最も顕著に現れたと報告されています。

専門医のサポートがあったとはいえ、3ヶ月でこれだけの結果が出たことは、特筆すべき点です。

医療ダイエット薬オーリスタットの安全性|副作用とリバウンド

薬を使ったダイエットで気になるのが「安全性」と、やめた後の「リバウンド」です。

この研究では、その両方について非常に興味深い結果が報告されています。

まず安全性ですが、3ヶ月の治療期間を通して、頭痛や腹痛を含め、重篤な副作用は一例もありませんでした。

副作用・トラブル論文での報告内容
重篤な副作用全症例において皆無であった。
軽微なトラブル・便の回数増加
・脂肪便(油分を含んだ便)
・意図しない便や油の漏れ
対処法患者自身が排便の感覚に慣れることで、短期間で対処のコツを掴むことができた。

ただし、脂肪の吸収を抑える薬の特性上、便が緩くなったり、意図せず油が漏れたりといった軽微なトラブルはあったようです。

しかし、これらは事前に説明を受けていれば十分に対処可能な範囲であり、参加者は短期間で慣れることができたとされています。

そして、もう一つの注目点がリバウンドです。

驚くべきことに、治療終了から3ヶ月が経過した時点でも、参加者の体重はほとんど増加しておらず、平均0.2kgの微増に留まっていました。

これは、治療中に身につけた食生活や生活習慣を、参加者自身が継続していたことが大きな要因と考えられています。

医療ダイエット薬オーリスタットの効果を引き出すポイント【専門家の考察】

なぜ、この研究では薬の効果が最大限に引き出され、リバウンドまで防ぐことができたのでしょうか。

論文の著者は、薬そのものの効果だけでなく、以下の2つのポイントが成功に不可欠だったと考察しています。

成功の要因内容
① 専門医による生活指導医師がただ薬を処方するだけでなく、食事や運動など生活全般の課題を一緒に見つけ、精神面も含めてサポートした。
② 患者自身のモチベーション向上治療にお金をかけているという意識や、実際に体重が減っていく喜びが「本気で痩せよう」という強い動機となり、好循環を生み出した。

つまり、オーリスタットはあくまでダイエットを補助する「きっかけ」や「ツール」であるということです。

漫然と薬を服用するだけでは高い効果は期待できません。

専門医による適切な生活指導と、それに応えようとする患者自身の意欲が組み合わさって初めて、オーリスタットは最大の効果を発揮するのです。

医療ダイエット薬オーリスタットを成功させる重要ポイント

研究結果から、オーリスタットを服用した医療ダイエットを成功に導くための重要なポイントを以下にまとめます。

成功のポイント具体的なアクション
① 薬を「補助」と心得るオーリスタットはあくまで生活習慣改善のサポート役。食事制限や運動が基本であることを忘れない。
② 専門医と二人三脚で進める薬を処方してもらうだけでなく、生活習慣の問題点を相談し、精神的なサポートも受けながら治療を進める。
③ 副作用を正しく理解する脂肪便などの軽微なトラブルは薬が効いている証拠と捉え、事前に説明を受けて冷静に対処する。
④ モチベーションを維持する体重が減り始めたらそれを励みにし、治療中に身につけた良い習慣を治療後も継続する意識を持つ。

この論文は、オーリスタットが専門医による適切な生活指導と組み合わさることで、安全かつ有効なダイエット法となり得ることを示唆しています。

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まぶたのクリニック編集部
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