内藤 みなみ 氏の経歴等
2025年 | 横須賀市立総合医療センター 栄養科 | 所 属 |
研究・学会 | ■Open ICUにおける早期栄養開始の取り組み:栄養開始基準と多職種での目標共有(第49回日本集中治療医学会学術集会) ■オープンICUにおけるチェックリストを用いた多職種連携による早期栄養開始の検討(第37回日本臨床栄養代謝学会学術集会) ■銅±亜鉛欠乏に対する複合微量元素製剤適応外投与の後ろ向き観察研究本邦での銅欠乏治療の現状と問題点(第38回日本臨床栄養代謝学会学術集会) |

ここからはまぶたのクリニックの編集部である私が、実際に医療痩身の論文について解説していきます。
ダイエットの目的は?摂取する食事・栄養素から見えた課題
日本では、不必要な減量を日常的に繰り返す20代女性が増加し、それに伴って、鉄・カルシウム等のミネラル不足が指摘されています。
特に、20代女性においては、肥満改善ではなく、見た目を優先した減量が行われているため、栄養不足や体への負担が懸念されているのが実情です。
結論、減量重視のダイエットは栄養・ミネラル不足を招くため、バランスのよい食事を摂取するよう意識改革することが大切です。
本記事で取り扱う論文では、痩身願望のある20代女性に食事内容の調査を実施し、傾向や問題点を提示しています。
臨床研究により、ライフステージに合わせた効果的なダイエット方法の指導・提案が可能になるでしょう。
臨床研究の調査対象・方法の概要
本記事で紹介する臨床研究の調査対象・方法の概要は以下の通りです。
対象者 | 有料ダイエットプログラムに参加した20代女性242名 |
年齢 | 25.8歳 |
BMI | 22.6 kg/m |
体脂肪率 | 30.9% (平均よりやや高め、隠れ肥満傾向) |
骨格筋指数 | 6.1kg/m² (平均より低く、80代女性と同等) |
筋肉量 | 36.6kg (平均と近似値) |
除脂肪量・基礎代謝量 | 除脂肪量:39.0 kg、基礎代謝量:1,213kcal (平均よりやや高め、 除脂肪体重・基礎代謝量の間には相関関係がある) |
測定項目 | ■体組成(BMI・筋肉量・体脂肪率など) ■食事画像による3日分の栄養評価 |
分析方法 | 鉄・カルシウムの充足度別に4つのグループを構成し、食品群別摂取量との関連を検討する |
栄養評価ツール | ■食事画像から栄養価を計算する「ヘルシーメーカープロ501」 ■体組成データ・栄養評価データの解析のため「SPSS」で統計処理 |
本研究の対象者は、平均BMIは22.6 kg/m²で、本来であれば減量が必要ない体重です。
しかしながら、対象者のうち80%の方が、減量のためにダイエット継続を希望していることが分かりました。
【20代女性のダイエット】栄養摂取の実態
対象者の平均エネルギー摂取量は1,369 kcalで、国民健康・栄養調査における同世代の中央値(1,697 kcal)と比較して、大幅に少ないことが分かりました。
炭水化物・たんぱく質・脂質のいずれも、平均以下の摂取量であってことも明らかになっています。
対象者のほとんどが、慢性的な鉄・カルシウムなどのミネラル不足に陥っている実態も見えてきました。
種類 | 摂取量(推定平均必要量) | 不足群:充足群 |
---|---|---|
鉄 | 6.9mg (10.5mg) | 190名(79%):51名(21%) |
カルシウム | 366mg (650mg) | 213名(88%):28名(12%) |
鉄不足は鉄欠乏性貧血、カルシウム不足は骨粗鬆症のリスクを高めるため、過度なダイエットは健康に悪影響を及ぼすことが示唆されます。
鉄・カルシウムと食品群摂取量の関係性
以下は、各食品群の摂取量の平均値・標準値を比較した表です。
食品群 | 対象者の平均値 | 栄養調査による20代女性の標準値 |
---|---|---|
肉類 | 81.7g | 107.7g |
乳類 | 50.0g | 102.4g |
菓子類 | 0.0g | 29.8g |
豆類 | 52.2g | 47.0g |
緑黄色野菜 | 102.6g | 64.3g |
食品群別に見ると、鉄・カルシウムが豊富な食品群である肉類・乳類の摂取量が少ない傾向にありました。
肉類では、鉄の含有量が少ない鶏肉の摂取量が49%を占め、牛肉はわずか9%に留まっています。
意図的に肉の種類を選択していることが、鉄不足を招いている可能性があると言えるでしょう。
一方で、豆類・緑黄色野菜の摂取量は標準値よりも多かったことが分かっていますが、鉄・カルシウムの不足を補えていない状況です。
【考察】鉄・カルシウム不足解消の鍵はたんぱく質を含む主菜の摂取
鉄・カルシウム共に、たんぱく質摂取量と高い相関関係にあることが認められています。
項目 | 相関係数(r) | 有意水準(p値) |
---|---|---|
鉄 | 0.7 | p<0.01 |
カルシウム | 0.6 | p<0.01 |
たんぱく質の多い食品を摂取することは、エネルギー・たんぱく質の摂取だけでなく、鉄・カルシウムの充足にもつながるということです。
鉄・カルシウムが共に充足している群においては、豆類・緑黄色野菜・魚介類・卵類・乳類の摂取量が有意に多いことが確認されています。
鉄・カルシウムの充足に寄与したこれらの食品群には、共通してたんぱく質が含まれているため、食事ではたんぱく質を摂取できる主菜を取り入れることが重要です。
過度なダイエットは隠れ肥満につながる?若年女性への栄養指導のポイント
本研究の対象者は、BMI22.6 kg/m、体脂肪率30.9%、骨格筋指数は80代女性と同等の低水準という特性を持っていました。
このような特性の方が過度なダイエットを行うと、以下のようなリスクが高まります。
- エネルギー摂取量が不十分な状態でさらに減量すると体脂肪率が高まり、隠れ肥満つながる
- 除脂肪量が低下し、特に腹部を中心とした内臓脂肪の蓄積により動脈硬化のリスクが高まる
- エネルギー摂取の不足により除脂肪体重が減少し、基礎代謝量が低下して太りやすい体質になる
- 鉄不足による鉄欠乏性貧血、カルシウム不足による骨粗鬆症などが引き起される
本研究の対象者は、鉄・カルシウム不足だけでなく、エネルギー摂取量が少ないことも特徴的です。
単に鉄・カルシウム摂取のみを改善するだけでは、上記のようなリスク回避は難しく、慢性的な栄養欠乏状態は、体組成に様々な影響を与えると考えられます。
【まとめ】正しいダイエットのあり方とは?
本研究の対象者の特性や食事傾向から、若年女性においては、「体重減少ではなく、体脂肪率・筋肉量など体組成の改善」が重要であると言えます。
主菜中心の食事でエネルギー・たんぱく質を基準値以上に確保し、あらゆる栄養素を充足するのが望ましいダイエット方法です。
医療ダイエット・エステダイエットなどで減量を指導する立場にある方は、若い世代の女性に対し、誤ったダイエットの認識を変えることが求められます。
取り入れたほうがよい食材や調理方法などを具体的に提示し、バランスのよい食事を継続して摂取できるようサポートしていきましょう。
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このように、当院では信頼のおける学術誌で発表された論文等を参考に、クリニック選びの実践的なアドバイス・治療内容の解説をしております。
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