【医療ダイエットに関する論文解説】高脂肪食を与えたラットにおける「食事制限型医療ダイエット」と「短期断食型医療ダイエット」が耐糖能に及ぼす影響

寺田新 医師の経歴

寺田新 東京大学 教養学部・大学院総合文化研究科 教授の経歴

2003年早稲田大学大学院 人間科学研究科博士課程修了
2003年日本学術振興会特別研究員
2004年ワシントン大学医学部 応用生理学教室研究員
2006年三共株式会社(現:第一三共株式会社)研究員
2007 年早稲田大学 先端科学健康医療融合研究機構講師
2009年日清オイリオグループ株式会社 中央研究所主管
2012年東京大学 教養学部・大学院総合文化研究科 准教授
2023年東京大学 教養学部・大学院総合文化研究科教授
編集部

ここからはまぶたのクリニックの編集部である私が、実際に医療ダイエットの論文について解説していきます。

目次

医療ダイエットと血糖値の関係

2045年には2型糖尿病患者が世界で7億8千万人超と予測されています。

編集部

糖尿病は、膵臓からのインスリン分泌が減少することで糖の取り込みが上手く行われず、血糖値が高止まりする疾患です。

本研究では、同程度の減量を行った場合、「食事制限型医療ダイエット(CR)」と「短期断食型医療ダイエット(FAST)」で耐糖能(体が摂取した糖を処理し、血糖値を一定範囲に戻す能力)にどのような違いが生じるかを比較しました。

結論、食事制限型(CR)はインスリン抵抗性を改善し、より少ないインスリンで血糖値を管理できるようにする一方で、短期断食型(FAST)は骨格筋のグルコース取り込み能力を高めるものの、膵臓からのインスリン分泌能力を低下させ、結果的に耐糖能を悪化させるという結果でした。

医療ダイエットの方法と動物実験のデザイン

今回の研究に使用した動物は、Wistar系雄ラット(5週齢, n=24)です。

これらを以下の3グループに分けました。

CON(対照群)通常食・自由摂取
CR(食事制限群)14日間で30%エネルギー制限
FAST(短期断食群)11日通常食+3日間絶食

各グループにて、体重・内臓脂肪・グルコース吸収能・GLUT-4量・OGTTを測定します。

  • グルコース吸収能:骨格筋での糖取り込み能力の評価に用いる
  • GLUT-4量:インスリン刺激性の糖取り込み能力の評価に用いる
  • OGTT:体が糖を処理する能力(耐糖能)および膵臓からのインスリン分泌能力の評価に用いる

医療ダイエットによる体重・脂肪・食事摂取量の変化

3つの群でそれぞれの数値の変化を見ていきます。

体重はCR群、FAST群ともに同程度減少しています。

内臓脂肪も同様に減少しており、CR群とFAST群で脂肪減少量に有意な差はありません。

食事摂取量は、CR群では毎日制限を加えていたため最も少なく、FAST群では最後の3日だけ絶食したものの、CR群と比べると統計的有意に摂取量が多いという結果でした。

編集部

これはダイエット中により多くの食事を取りながら体重減少できるという可能性を示唆しています。

一方、筋肉量については3群とも有意な差はありませんでした。

ダイエットでは脂肪減少に加えて筋肉の減少も危惧されますが、今回のケースではCR群もFAST群も筋肉量の有意な減少は見られませんでした。

項目CON群CR群FAST群
初期体重 (g)276 ± 6276 ± 5276 ± 5
最終体重 (g)362 ± 10304 ± 4***305 ± 6***
内臓脂肪重量 (g)27.6 ± 1.618.4 ± 1.0***16.3 ± 1.0***
食事摂取量(2週間合計, g)242 ± 6166 ± 1***187 ± 4***, §§
上腕筋の湿重量 (mg)57.8 ± 2.755.3 ± 2.357.2 ± 4.5

医療ダイエットが筋肉のグルコース吸収能に与える影響

CR群とCON群では、グルコース吸収能に有意な差は見られませんでした。

関連するGLUT-4タンパク質量にも変化はありませんでした。

一方、FAST群ではインスリン刺激によるグルコース吸収能が約2倍に増加し、関連するGLUT-4タンパク質量もCON群およびCR群と比較して有意に高くなりました。

編集部

内臓脂肪とグルコース吸収能には負の相関が見られ、GLUT-4タンパク質量とグルコース吸収能には正の相関が見られました。

医療ダイエットの耐糖能改善効果をOGTTで検証

OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)で、測定した結果を以下に示します。

AUC評価項目CON群CR群FAST群
血糖値基準同等有意に上昇***
インスリン値基準有意に低下**有意に低下***
C-ペプチド値基準低下傾向有意に低下*

CR群をCON群と比べると、インスリン値が低いにもかかわらず血糖値は同等です。

編集部

これは、より少ないインスリン量で血糖値をキープできることを意味しており、インスリン感受性が向上したと捉えられます。

一方、FAST群はCON群ならびにCR群と比べて、血糖値が上昇しており、耐糖能が悪化しています。

FAST群はインスリン値・C-ペプチド値ともに有意に低くなっており、これは膵臓からのインスリン分泌能力が低下していることを示唆しています。

編集部

前章で述べた通り、FAST群は骨格筋のグルコース吸収能を高めるものの、膵臓のインスリン分泌能力を低下させており、最終的に血糖値が上がるという望ましくない結果に至っています。

短期断食型医療ダイエットの今後の研究課題

先行研究ではダイエット後のラットで筋萎縮の報告がありましたが、今回の研究では上腕筋において筋肉量の減少は確認されていません。

より厳密な比較を行うためには、腓腹筋・ヒラメ筋など他の骨格筋も含めた評価が、今後の研究で必要となるでしょう。

FAST群では、膵臓からのインスリン分泌が減少することが明らかになりました。

先行研究によると、短期の絶食は、インスリンを生成する膵β細胞の、オートファジー(自浄作用・リサイクルシステム)を抑制するため、結果としてインスリン分泌を低下させると報告されています。

これを検証するためには、特殊な技術を用いて膵島を分離・分析する必要があり、今後の研究課題となります。

医療ダイエットの臨床的示唆

それぞれのダイエット法について各評価項目の結果をまとめます。

項目食事制限型医療ダイエット(CR)断食型医療ダイエット(FAST)
脂肪減少効果
グルコース吸収能
インスリン感受性
耐糖能の改善✕(悪化)
インスリン分泌能保持低下傾向

本研究の結果として、同等の体重減少において、短期断食型医療ダイエット(FAST)は、食事制限型医療ダイエット(CR)と比較して、骨格筋のグルコース吸収能を高めますが、膵臓からのインスリン分泌を減少させることで、耐糖能を低下させるということが分かりました。

また、当院では当記事で解説した論文を参考に、美容医療の専門家が以下の記事を公開しています。

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医療ダイエットに関する専門的な知識を深めるため、臨床結果・医療技術に関する具体的な事例も学び取り入れた上で、最新の研究論文・臨床試験データに基づいて信頼性の高いコンテンツの作成に努めています。

このように、当院では信頼のおける学術誌で発表された論文等を参考に、クリニック選びの実践的なアドバイス・治療内容の解説をしております。

まぶたのクリニック編集部
美容医療の知識を持ち、施術内容や患者の疑問点を分かりやすく伝えることを専門とする。カウンセリングや施術に関わる医療従事者としての視点から、美容整形に関する実際の体験談や正しい情報を提供。リスクや注意点についても正確に伝え、読者が安心して美容医療を選択できるようサポート。
備考
  • 国家資格保有
  • 美容医療に関する実務経験あり
  • 大手美容クリニックにて施術サポート業務担当
  • 最新の美容医療情報に基づき記事執筆
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佐野 優子
高校時代、体調を崩した母のために栄養を学びながら食事を作った経験をきっかけに、管理栄養士を志す。栄養の力で人の健康が支えられることを実感し、専門的な知識を深める道へ。介護関連の企業にて管理栄養士として勤務(2021年〜2024年)。調理・盛り付けなどの現場業務から、献立作成・発注管理・商品の発送手配・利用者への栄養相談まで、多岐にわたる業務に携わる。現在はフリーランスとして、保育園給食の献立作成や、食事記録に基づく栄養アドバイスの作成を中心に活動。医学的根拠に基づいたアドバイスを通じて、リバウンドのリスク・健康への影響についても正確に伝え、読者が安心して医療ダイエットに取り組めるよう当記事を監修しています。
備考
  • 国家資格保有
  • 医療ダイエット・美容医療に関する栄養指導の実務経験あり
  • 現場業務・栄養相談・献立作成など幅広く担当
  • 最新の美容医療情報に基づき記事執筆
  • 保育園給食や食事記録に基づく栄養アドバイスなども手がける
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